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研究の進捗について

2023年12月現在、私たちは2026年に潰瘍性大腸炎の新規治療法の臨床試験(治験)を開始することを目指し、研究開発を進めています。
研究の進捗状況は年に一度、ホームページに更新されますが、特許や企業との契約による制約のため、詳細な情報の公開ができないことをご理解いただければ幸いです。

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抗インテグリンαvβ6自己抗体を対象とした治療法の開発

抗インテグリンαvβ6自己抗体に対する治療法の開発を目指して、Link Therapeutics (リンクセラピューティクス)株式会社という新しいベンチャー企業を2022年10月に設立しました。
この企業は、京都大学のベンチャーキャピタルである京都大学イノベーションキャピタル株式会社からの投資を受け、治療法の開発を加速することを目的としています。

2023年4月、抗インテグリンαvβ6自己抗体をターゲットとする新しい治療薬のプロトタイプの作成を開始しました。

診断キットによる潰瘍性大腸炎診断研究の進捗

潰瘍性大腸炎の診断における特異的バイオマーカー抗インテグリンαvβ6 抗体の有用性に関する多機関共同研究
2024年
解析結果を論文として報告予定
2023年11月
学会(JDDW 2023 KOBE)で解析結果の一部を発表
2022年6月
〜2023年10月
症例データの登録、診断キットによる自己抗体測定、および解析
2022年5月
全国参加医療機関について、京都大学倫理委員会で追加承認
2022年1月
京都大学倫理委員会で承認(京都大学、神戸大学の2施設先行)

研究参加医療機関に関する情報は、京都大学医学部附属病院の「人を対象とする医学系研究に関する情報公開」ページにて公開されています。

以下のリンクから京都大学医学部附属病院の倫理委員会のウェブサイトにアクセスし、「潰瘍性大腸炎」と検索してください。

京都大学医学部附属病院倫理委員会のページ

ここで「潰潰瘍性大腸炎の診断における特異的バイオマーカー抗インテグリンαvβ6抗体の有用性に関する多機関共同研究」という課題名のPDFファイルを通じて、研究参加医療機関の詳細を確認できます。

潰瘍性大腸炎の病勢評価に関する研究の進捗

潰瘍性大腸炎の病勢評価における特異的バイオマーカー
抗インテグリンαVβ6抗体の有用性に関する研究
~多施設共同前向き探索研究~
2022年5月〜
症例登録、診断キットによる自己抗体測定、および解析予定
2022年4月
京都大学倫理委員会で承認(京都大学、神戸大学の2施設)

学会発表

2023年4月
村本雄哉, 塩川雅広, 妹尾浩. 「小児炎症性腸疾患における抗インテグリンαVβ6抗体の意義」
第109回日本消化器病学会総会(口頭発表)
2022年11月
Masahiro Shiokawa, Takeshi Kuwada, Yuzo Kodama, et al. 「Identification of an Anti-Integrin αVβ6 Autoantibody in Patients with Ulcerative Colitis」
第13回日本炎症性腸疾患学会学術集会(招待講演)
2022年6月
Masahiro Shiokawa, Takeshi Kuwada, Yuzo Kodama, et al. 「Identification of an Anti-Integrin αVβ6 Autoantibody in Patients with Ulcerative Colitis」
the 10th Annual Meeting of the Asian Organization for Crohn’s & Colitis (AOCC 2022)(招待講演)
2022年5月
Takeshi Kuwada, Masahiro Shiokawa, Okada Hirokazu, et al. 「New Autoantibody In Patients With Ulcerative Colitis」
Digestive Disease Week (DDW) 2022(ポスター発表)
2022年4月
桒田威, 塩川雅広, 松森友昭, 他 .「潰瘍性大腸炎における新規自己抗体」
第119回日本内科学会総会・講演会(口頭発表)、第36回日本内科学会奨励賞受賞
2021年11月
桒田威, 塩川雅広, 大井充, 他. 「潰瘍性大腸炎における抗インテグリンαvβ6自己抗体の検討」
第12回日本炎症性腸疾患学会学術集会(口頭発表)
2021年11月
桒田威, 塩川雅広, 妹尾浩. 「潰瘍性大腸炎における新規自己抗体の検討」
Japan Digestive Disease Week 2021 (JDDW 2021 KOBE)(口頭発表)
2021年10月
Takeshi Kuwada. 「New Autoantibody in Patients with Ulcerative Colitis」
the 9th Annual Meeting of the Asian Organization for Crohn’s & Colitis (AOCC 2021)(招待講演)
2021年7月
厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」第1回総会
2021年4月
桒田威, 塩川雅広, 横出正隆, 他. 「自己免疫疾患の病因抗体同定」
第4回消化器臓器間ネットワーク研究会(口頭発表)
2020年8月
桒田威, 塩川雅広, 妹尾浩. 「潰瘍性大腸炎における特異的自己抗体の検討」
第106回日本消化器病学会総会(口頭発表)

雑誌掲載

  • 桒田威, 妹尾浩. 「潰瘍性大腸炎における抗インテグリンαvβ6抗体の同定」 医学のあゆみ. 281巻7号 Page773-776. 2022
  • 桒田威, 塩川雅広, 妹尾浩. 「潰瘍性大腸炎における抗インテグリンαvβ6抗体の同定」 日本臨牀. 80巻3号 Page396-402. 2022
  • 桒田威, 塩川雅広, 妹尾浩. 「潰瘍性大腸炎における抗インテグリンαvβ6抗体の同定」 消化器病学サイエンス. 6巻1号 Page50-55. 2022
  • Takeshi Kuwada, Masahiro Shiokawa, MBL 「A sharper diagnosis for ulcerative colitis」 Nature Research Custom, Jan 2022
  • 桒田威. 「若手研究者インタビュー」 IBDクリニカルカンファレンス vol.3 no.1, 2021年9月

論文掲載

  • Identification of an Anti-Integrin αVβ6 Autoantibody in Patients With Ulcerative Colitis.
    Kuwada T, Shiokawa M, Kodama Y, Ota S, Kakiuchi N, Nannya Y, Yamazaki H, Yoshida H, Nakamura T, Matsumoto S, Muramoto Y, Yamamoto S, Honzawa Y, Kuriyama K, Okamoto K, Hirano T, Okada H, Marui S, Sogabe Y, Morita T, Matsumori T, Mima A, Nishikawa Y, Ueda T, Matsumura K, Uza N, Chiba T, Seno H.
    Gastroenterology. 2021 Jun;160(7):2383-2394.e21. doi: 10.1053/j.gastro.2021.02.019.
  • Anti-Integrin αvβ6 Antibody as a Diagnostic Marker for Pediatric Patients With Ulcerative Colitis.
    Muramoto Y, Nihira H, Shiokawa M, Izawa K, Hiejima E, Seno H; Japan Pediatric Inflammatory Bowel Disease Working Group.
    Gastroenterology. 2022 Oct;163(4):1094-1097.e14. doi: 10.1053/j.gastro.2022.06.026.

広報活動

  2023年5月、株式会社グッテ様と共同でイベント(IBD治療の未来を語ろう)を開催しました。




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潰瘍性大腸炎以外の研究について

私たちは潰瘍性大腸炎の研究だけでなく、以下の疾患の原因解明に関する研究も行っています。
これらの疾患に対しても、将来的に潰瘍性大腸炎と同様に根治を目指して研究を行い、その成果を臨床応用することを計画しています。

ご支援にご関心をお持ちの方は、「プロジェクトに寄付する」ページよりご寄付をお願いいたします。

通信欄に寄付を希望する疾患名をご記入いただければ、寄付金はその研究目的にのみ使用いたします。
皆様のご支援を心よりお願い申し上げます。

  • 原発性硬化性胆管炎
  • 全身性エリテマトーデス(SLE)
  • IgA腎症
  • 関節リウマチ
  • 膵癌
  • 胆道癌

(文責 塩川 雅広)

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